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ジャストコラム

プチイントレプレナーになる

良いはなし(心地よく、かっこいい話し)

◎サービス・ブランド・人

私が今の仕事で大事に考えているのは、サービス・ブランド・人。私たちが日々の仕事で提供するサービスは構造物の調査や検査、各種診断そしてこれらのレポート。その内容が重要なのは当然だが、最終的に顧客に届くのは調査レポートではなく、弊社のサービス全般を通じた安全や安心といった顧客の不安を払拭するような体験を提供することに集約される。この体験を通じ、安全・安心のブランドが育ち、今はジャストという会社は鉄骨溶接部の超音波探傷の会社あるいは建築土木構造物の調査会社だが、いずれは安全・安心の代名詞としてとらえてもらえるようになれればいい。

そして人とは、顧客と仲間(社員や外部パートナー)のこと。信頼・共感・尊敬そして謙虚さを常に意識している。弊社の顧客のほとんどは、ご相談いただいた時点でどの調査会社にするか迷っているわけではなく、いつ現場にこれるかと費用についての話しがほとんどだ。このことから顧客の多くがジャストというブランドを購入し、ブランドイメージは調査会社=ジャストというところまで順調に育っていると感じる。いずれは安全・安心の代名詞。

 

厳しいはなし(耳の痛いはなし)

◎まずは危機感を共有しないと明るいビジョンを受け入れない

ご存知のようにアマゾンやグーグルが家庭の隅々まで浸透し、今では実店舗など様々な分野にも勢力を拡大している。アジアでは深セン企業のプロダクトやサービス、その事業展開のスピードは目をみはるものがある。今はこれらと関係ないようなこの業界でも、いずれこれらの企業がライバルになる日がそう遅くない時期にやってくる、そう覚悟している。(劣化診断に使われるAIライブラリはgoogleのTensorflowだったり、ドローンの多くが深センのDJI製など)。これに比べると日本は毎日忙しいと言っても、止まっている。我々の会社はこれまで世の中の変化(国内の変化)に上手く乗れて成長してきた。変化といっても建設業の技術革新については20年前からほとんど変化がない。私がここへやって来るずっと前、20年ほど前に所属していた会社(メーカーだが)では、製品の試作や検討を当時から3次元モデリングで行っていた(当然、実物でも検討する)。完全週休二日も当時から当たり前だ。建設業は今やっとBIMやCIMが普及しはじめた段階。完全週休二日もこれからだ。建設業はこのようなスピード感。自動車業界などと違って、本当の競争と呼べる状況になかったのだ。環境が良かったのだ。だが今、加速しはじめている。人口減少による人手不足や働き方改革がデータの3次元化やロボット化、IT化を推し進めている。変化のスピードが上がれば、これまでの感覚でついていくのは予想以上に大変だ。

 

一方、これまでのように単に良いサービスやプロダクトを提供すれば沢山売れる時代は既に終わり、サービスやプロダクトの寿命がかなり短くなってきている。コンシューマー市場向けで生活に必要なものはほとんど満たされている。10%、20%の性能アップは変わってないのと同じ、最低でも10倍じゃないと刺さらない。今の低欲望社会では、一つ二つのテクノロジーに対応するだけでは、会社の存続が危ぶまれる。あたらしい価値を創造しなければならないが、それを実現するのが難しい。我々の業界でも今後、人口減少が加速し、労働集約型が主流の建設業で従来のやりかたを続け、しかも成長を続けるのはかなりの無理を感じる。今が多忙を理由に何もしなければ常に新興勢力や人口減少によって本業が立ち行かなくなる恐れがある、そう強く感じる。何もしないのが最大のリスクだ。コダックと富士フィルムが良い例だ。

当社の成長をけん引した耐震診断業務。これはほぼやりつくしているのだが、とこのような話をすると、「いや、まだあるよ」「売り上げはまだ結構あるよ」と返事をいただくことが今もある。この人たちはこの仕事が完全になくなるまで何も準備するつもりはない。誰かが自動的に次の仕事を探して準備してくれるとでも思っているのだ。まぁ、ただ無関心なだけだが。一度、自分で営業してみるといい。「耐震診断いりませんか?」って。建設業界といえ、死に物狂いとは言えないが、何かしなければと、結構みんな焦っているのを感じると思う。

 

ものすごいスピードで変化する世界に比べれば、国内建設業の変化のスピードは緩やかなので、世界基準で60点取れれば大丈夫かも、と思うときもある。下手に売り上げが立って忙しいとなおのことだ。まずは危機感を共有しないことには、明るいビジョンを提示しても簡単には受け入れられないのだ。新しいデバイスも方法もなかなか素直には受け入れることは難しいのだ。自分ごととして危機感を肌で感じることができないからだ。口では同調しても行動にあらわれないから、いくら鈍感な自分でもわかる。いったい誰がいつ準備するんだ。

 

希望的なはなし

◎変われる組織、進化を続ける組織が好き

いろいろと挑戦しているつもりだが、UberやAirBnbのようなサービスとなるとだいぶ無理がある。これらはある意味、アート、芸術だ。普通の人が2、3日で考えてすぐにたどり着けるような話ではない。だってそれっぽいアイデアを語っても、それが身近な業務からかけ離れると、突飛過ぎるのだろう、まず周りから共感が得られない。今そこにある市場の延長線でしか判断が働かないのだ。今はまだない市場の創造など想像できないからだ。

 

アートでなくても、今の市場で価値を作れないわけではない。日常の業務改善や顧客に寄り添うことで気づくことは沢山ある。そして日常を昨日よりちょっと良くすることは誰でもできる。そういうように考えて振る舞って、そして400人ならまずは2割ぐらいの80人ぐらい、県大会でいうとたぶんベスト16ぐらい。このような動きが広まって、それが継続的になればおそらく相当良い組織になるのだろう。できれば小さくスピーディーに何度も挑戦を続け、そして賢く失敗し、ピボットし、環境が変わっても進化し、ときに業態も変え、それに合わせてビジョンも再定義できる、こんな組織がかっこよくて好き。

 

そのような組織には、先進のデバイスやテクノロジーよりも、むしろ顧客や社員同士も含めた周囲との対話と洞察がとても重要だ。こういうものは簡単にダウンロードしたり買ったりできる類のものではないのだ。泥臭いかもしれないし時間もかかるが対話と洞察のなかから顧客や仲間の置かれた立場や背景が徐々にわかってきて、その文脈中での課題、一体何を解決したいのか、何がものごとを阻害しているのかに思いはせることができるようになるのだ。デバイスやテクノロジーはそれに応じて適宜選択すれば良い。

 

◎自分へのメッセージ

たいてい年寄りから先にいなくなる。年寄りから順にご卒業。そしていつか自分の番になっているのだ。会社もそう。それまで何でも先輩や上司に決めてもらう、与えてもらう、やらされる、そしてただこなせばよかった立場から、自分で決めなきゃならない立場になる。答えがでる前に間違っていようが合っていようが、決断を求められることもある。他責的思考が通用しなくなるのだ。そういう時期になって自分に知識も資格も助けてくれる人も蓄えも何もないと簡単に詰んでしまう。

いつでも準備が大切なのはわかっているが、大変なのも事実だ。

そんなときの自分へのメッセージ。

 

安易な選択はその後の人生を苦しくする。

苦闘を愛せ!

ハイ、ワカリマシタ。。。

 

イノベーション企画部
山根