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ジャストコラム

6重苦のその後

2015年の幕開けとなりました。本欄をご覧いただいた皆さまには良き1年となりますよう心よりご祈念申し上げます。

さて、2011年の東日本大震災後から翌年にかけて、日本の産業が抱える問題として挙げられ『6重苦』と言われた6つの要因がありました。

1.超円高
2.法人実効税率の高さ
3.自由貿易協定の遅れ
4.電力価格の高さ
5.労働規制の厳しさ
6.環境規制の厳しさ

の6項目です。

そもそもこれらは、日本企業と外国企業との競争において、不利な条件だと指摘していた企業経営者の嘆きの言葉です。まるでゴルフ場のハンデイキャップ(HC)委員会に、もう少しHCをくれないと勝負にならないと嘆願しているような・・・

2012年12月に誕生した安倍政権は、日本産業クラブの公正なHC委員会の如く、適正なHCにすべく安倍委員長はアベノミクスと称するHC是正策を掲げ2年を経過しました。さて、そのHCの値に変化は?・・・

1.超円高

短期間にHC50%アップ。与え過ぎ?それともいきなり過ぎ?・・・アンダーパーでプレーする競技者が出現する一方、戸惑いや、さらにはやる気をなくして退場する者も。

2.法人実効税率

委員会の中でも賛否両論があり、決定までに長時間を要したが、段階を踏み向こう2年間でHC3.29ポイント以上の是正を約束した。

4.電力価格

米国よりHCが2.5倍も違うと嘆くも、安定供給が精一杯。原発再稼働の批判を何とかかわそうと躍起になっているが、世論を説得するのは困難な状況。HC幅は逆に拡大懸念も。

5.労働規制

製造業への派遣は雇用の拡大に繋がると聞こえは良いが、それが格差に繋がると反論され、HC委員会は膠着状態。強行突破かそれとも妥協案か。

6.環境規制

国連気候変動サミットで、温室効果ガス25%削減を国際公約した鳩山由紀夫前首相への恨み節が・・・停電を避けるため火力発電は不可避、HCは当面お預けに。

さてさて、皆さんのアベノミクスHC委員会の評価は?・・・そして2015年は安倍政権第2章の幕開け。2017年10月の消費増税を円滑に実施するためには、何と言っても景気浮揚が・・・果たしてそれが実現するや否や。

専務取締役 角田誠一