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ラインドローンのご紹介

今、業界で密かに注目されているラインドローン。開発元のMAC-Factoryさんへお伺いし、実機に触れてまいりました。今回はそのご報告です。

 

 

ラインドローンとは?

ライン(化学繊維のワイヤー)を張り、ラインから専用のアダプターで吊られたドローンをラインのルート上で飛行させるドローン運航システム。

ドローンはラインに沿って飛行し、物理的に墜落させないことを目的としております。

 

ドローン飛行における現状の問題点

ドローンのハードやソフトの性能は日々進化しているものの、突風・電磁波干渉・バッテリー切れ・ヒューマンエラー等により、依然として落下、墜落の恐れがあります。

万が一上空からドローンが墜落してしまったら、どんなリスクがあるでしょう。人的・物的被害が出る恐れがありますし、特に人口集中地区においては落下の可能性を考えると正直運用しづらいですよね。

このようにドローンを使った調査や点検は効率性に対する期待は大きいものの、市街地においては落下リスクを考えるとなかなか使用しづらいのが実情です。

 

解決策

そんな社会課題に対してのひとつの解がMAC-Factoryの伊尾木さんが考案したラインドローンシステムです。このシステムは特許も取得済みで、ドローンを物理的に墜落させることのないシステムのため、適正にラインを張ることができれば墜落リスクをほぼゼロにすることができます。

飛行ルートはライン上に制限されますが、コンパスエラー等で機体制御が失われた場合でも、墜落に至ることがないため、安心して操作することが可能です。

市街地のドローン点検などで落下リスクをほぼゼロにできる安全対策手法として、一つの解決策になればと、伊尾木さんは説明してくれました。

 

視察結果

確実にラインを設置できれば、非常に安定した飛行が可能でありました。ラインによる安定飛行で機体制御が格段に楽になることで、パイロットは撮影業務に集中できます。墜落リスクをほぼゼロにできるだけではなく、撮影に集中できるので撮影品質の向上も期待できます。

専用ドローンも必要とせず、Phantomなど既存のドローンに専用のアダプターを取り付けるだけで対応できます。ビルの外壁のように飛行ルートが明確に決まっている場合には有効な安全対策になりそうですね。

設置ラインは縦タイプ・横タイプと、縦横を組み合わせたタイプがあります。ラインにはドローンが上下左右に振れないようにある程度の張力(テンション)をかけて張りますが、ラインが数十メートルであれば割と簡単に設置できます。

 

今後の課題

現場でのラインの設置方法に工夫が必要だと感じました。

縦ラインは屋上のパラペット等に取り付けた竿状の治具から重りを付け地面まで垂らしていきます。風速10m程度までは運用可能とのことですが、しっかりラインにテンションをかけることが大事です。テンションが緩いと壁面にぶつかる恐れがありそうですので、テンション管理が重要ですね。

横ラインは距離が長くなると張力を保つのが難しくなることと、高所の場合はライン両端の固定方法に工夫が必要になります。

ライン取り付け方法に工夫の余地がありますが、縦ラインについては実用的なドローンの安全対策手法として需要が期待できそうです。

 

MAC-Factory

http://mac-factory.com/