研究開発

研究開発の取組みについて

我々を取り巻く環境は今大きな変換点を迎えようとしています。
スクラップ&ビルド社会からストック有効活用時代へと変化してきている中、昨今激甚化してきている気象災害や切迫する巨大地震へ対応が喫緊の課題です。既存構造物に対しても耐震調査や劣化調査がなされ、様々な耐震化施工、耐久性施工がなされるようになってきている中、少子高齢化による建設財政悪化でそのコスト低減、高効率化といった社会的要求が高まってきています。
こういった社会的要求にジャストも今まで応えるべく様々な研究と開発をしてきており、2022年1月現在において52編の論文を発表してきました。
現在では、7つの取組について研究開発をしておりますが、ここでは、そのうち2つを紹介いたします。
 

オーバートルクビスによるコンクリート圧縮強度測定技術の研究開発

コンクリート構造物の耐震性および耐久性を評価するひとつの指標として、圧縮強度があります。現在、その確認には構造物からコアコンクリートドリルにてサンプルを採取し圧縮強度試験をしています。構造物には、採取した部分が欠損した状態となるため、代表的な部分からしか採取できず、また試験には時間が掛かっています。それで、非破壊で既存コンクリート構造物の圧縮強度を測定できる技術が確立できれば、必要な箇所の圧縮強度が短時間に非破壊で測定でき、より詳細な耐震性評価ができます。これまでにも超音波および弾性波を用いた圧縮強度測定に関する研究はなされてきていますが、要求される測定精度の確保にまで至っておらず推定の域から脱していないのが現状です。そこで、既存コンクリート構造物に対して、コンクリートビスを頭までねじ込み、そこからさらにねじ込む際のトルクインピーダンスから硬化コンクリートの圧縮強度を測定する技術の研究および開発に着手しました。
 
本研究は東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科の大村哲矢准教授と共同で2021年より進めているテーマです。
オーバートルクを負荷させトルクインピーダンスを測定している状況
オーバートルクを負荷させトルクインピーダンスを測定している状況

遠隔非接触打診調査技術の研究開発

我々を取り巻く構造物に対してその耐震性や耐久性を確保するために構造部材の調査がなされてきています。また、設備機器に関しても同様に耐震性の確保および陳腐化に対応してきています。一方、外部仕上げ材や屋外看板といったものに関しては、その点検報告義務が法制化されて間がない状態で、その点検方法も点検対象にアプローチできる足場を組み立て打診調査しているのが現状です。足場組みの時間と人が打診する時間が掛かってコストもその分負担が増えているのが実状です。足場を組まなくとも遠隔で点検対象を加振させ、その振動を遠隔で捉え評価できる技術が求められてきています。そこで、点検対象を遠隔加振するために、超高指向性、高出力スピーカを使いスイープ音波を点検対象に照射し、レーザドップラ振動計を用いて遠隔から振動測定し点検対象のガタつき(落下、剥落する危険性)の評価をするシステム開発に着手しました。
天井材のガタつき度合いを測定している状況
天井材のガタつき度合いを測定している状況
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