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ProjectNIT創成研究部における研究開発の取組みについて

NIT創成研究部における研究開発の取組みについて

我々を取り巻く環境は今大きな変換点を迎えようとしています。

スクラップ&ビルド社会からストック有効活用時代へと変化してきている中、昨今激甚化してきている気象災害や切迫する巨大地震へ対応が喫緊の課題です。既存構造物に対しても耐震調査や劣化調査がなされ、様々な耐震化施工、耐久性施工がなされるようになってきている中、少子高齢化による建設財政悪化でそのコスト低減、高効率化といった社会的要求が高まってきています。


こういった社会的要求にジャストも今まで応えるべく様々な研究と開発をしてきており、2022年1月現在において52編の論文を発表してきました。

No題名発表・掲載発表年
1端部を曲げ補強した梁の構造性能に関する実験的研究(その3)日本建築学会2003
220mHz探触子によるコンクリート構造物の厚さ推定法 日本非破壊検査協会2003
3垂直探傷法によるアンカーボルト定着長測定に関する検討(その2)日本非破壊検査協会2003
4スマートAEセンサによるRC構造物のモニタリングに関する実験的研究(その1)日本非破壊検査協会2003
5スマートAEセンサによるRC構造物のモニタリングに関する実験的研究(その2)日本非破壊検査協会2003
6AEセンサを用いた鉄筋コンクリート造梁の損傷検出に関する研究土木学会2004
7A Study on Damage Detection System Which Used Smart AE Sensor for the Structure日本非破壊検査協会2004
8スマートAEセンサによるRC構造物のモニタリングに関する実験的研究(その3)日本非破壊検査協会2004
9 超音波試験による細径のアンカーボルト長さ測定に関する検討日本非破壊検査協会2004
10携帯型光学式硬度計による鋼材調査に関する実験的検討日本建築学会2004
11スマートAEセンサを用いたRC建物の構造ヘルスモニタリング(その1)日本地震工学会2005
12A Study on Structural Health Monitoring System日本非破壊検査協会2005
13スマートAEセンサを用いたRC建物の構造へルスモニタリング実用化研究(1_3)日本建築学会2005
14スマートAEセンサを用いたRC建物の構造へルスモニタリング実用化研究(2_3)日本建築学会2005
15スマートAEセンサを用いたRC建物の構造へルスモニタリング実用化研究(3_3)日本建築学会2005
16ボルトと溶接の混用継手における溶接がボルト軸力に及ぼす影響日本建築学会2005
17RC構造物を対象とした損傷検出のためのモニタリング・システムの提案(1_3)日本建築学会2006
18RC構造物を対象とした損傷検出のためのモニタリング・システムの提案(2_3)日本建築学会2006
19RC構造物を対象とした損傷検出のためのモニタリング・システムの提案(3_3)日本建築学会2006
20RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その1)日本建築学会2007
21RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その2)日本建築学会2007
22RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その3) 日本建築学会2007
23RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その4)日本建築学会2008
24RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その5) 日本建築学会2008
25RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その6)日本建築学会2008
26 RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その7)日本建築学会2009
27超音波透過法によるジャンカ検出手法の実験日本建築学会2009
28パルス反射法によるアンカーボルト長さ測定に関する実験的研究(その1) 日本建築学会2009
29RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その8)日本建築学会2010
30RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その9)日本建築学会2010
31RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その10)日本建築学会2010
32パルス反射法によるアンカーボルト長さ測定に関する実験的研究(その2)日本建築学会2010
33RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その11)日本建築学会2011
34超音波透過法によるジャンカ検出手法の実験日本非破壊検査協会2011
35道路橋診断における超音波の適用と有効性日本非破壊検査工業会2011
36鉄骨枠付K型ブレースで耐震補強されたRC建物の補強効果確認原位置試験(その3)日本建築学会2012
37RC構造物のヘルスモニタリング実用化に向けたRC造梁の曲げ破壊実験いおけるAE計測日本建築学会2012
38RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その12)日本建築学会2014
39RC構造物を対象とした構造ヘルスモニタリングシステムの開発(その13) 日本建築学会2014
40微少変形領域いおけるRC造耐震壁の非線形性に関する検討(その1) 日本建築学会2015
41微少変形領域いおけるRC造耐震壁の非線形性に関する検討(その2) 日本建築学会2015
42デッキプレートを型枠に用いたスラブ内に打込まれたCD管の探査日本建築学会2018
43打重ね部を有するコンクリート壁の構造性能に関する研究(その1)日本建築学会2019
44打重ね部を有するコンクリート壁の構造性能に関する研究(その2)日本建築学会2019
45A CASE STUDY ON THE EVALUATION OF STRUCTURAL CONDITIONS FOR AN EXISTING BRIDGE USING POSITION SENSITIVE DETECTOR (PSD) DEVICEBridge Engineering Institute Conference2019
46NON-DESTRUCTIVE TEST OF ULTRASOUND WAVE FOR A CONCRETE WALL WITH CONCRETE JOINTBridge Engineering Institute Conference2020
47打重ね部を有するコンクリート壁の構造性能に関する研究(その5)日本建築学会2020
48CRACK-DETECTION IN CONCRETE COVERED WITH FIBER-REINFORCED POLYMER (FRP) THROUGH ELECTRICAL IMPEDANCE VARIATIONSAdvanced Composite Materials in Bridges and Structures2020
49無筋コンクリートにおける超音波探傷試験を用いた打設不具合の検出に関する基礎研究(その1)日本建築学会2021
50無筋コンクリートにおける超音波探傷試験を用いた打設不具合の検出に関する基礎研究(その2)日本建築学会2021
51電気的インピーダンスと位相角に基づくFRPで被覆したコンクリートのひび割れ検出技術に関する基礎実験コンクリート工学論文集2021
52CFRPシートで被覆したコンクリートの劣化損傷の検出に関する一考察日本材料学会2021

現在では、7つの取組について研究開発をしておりますが、ここでは、そのうち2つを紹介いたします。

オーバートルクビスによるコンクリート圧縮強度測定技術の研究開発

コンクリート構造物の耐震性および耐久性を評価するひとつの指標として、圧縮強度があります。現在、その確認には構造物からコアコンクリートドリルにてサンプルを採取し圧縮強度試験をしています。構造物には、採取した部分が欠損した状態となるため、代表的な部分からしか採取できず、また試験には時間が掛かっています。それで、非破壊で既存コンクリート構造物の圧縮強度を測定できる技術が確立できれば、必要な箇所の圧縮強度が短時間に非破壊で測定でき、より詳細な耐震性評価ができます。これまでにも超音波および弾性波を用いた圧縮強度測定に関する研究はなされてきていますが、要求される測定精度の確保にまで至っておらず推定の域から脱していないのが現状です。そこで、既存コンクリート構造物に対して、コンクリートビスを頭までねじ込み、そこからさらにねじ込む際のトルクインピーダンスから硬化コンクリートの圧縮強度を測定する技術の研究および開発に着手しました。

オーバートルクを負荷させトルクインピーダンスを測定している状況

本研究は東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科の大村哲矢准教授と共同で2021年より進めているテーマです。

遠隔非接触打診調査技術の研究開発

我々を取り巻く構造物に対してその耐震性や耐久性を確保するために構造部材の調査がなされてきています。また、設備機器に関しても同様に耐震性の確保および陳腐化に対応してきています。一方、外部仕上げ材や屋外看板といったものに関しては、その点検報告義務が法制化されて間がない状態で、その点検方法も点検対象にアプローチできる足場を組み立て打診調査しているのが現状です。足場組みの時間と人が打診する時間が掛かってコストもその分負担が増えているのが実状です。足場を組まなくとも遠隔で点検対象を加振させ、その振動を遠隔で捉え評価できる技術が求められてきています。そこで、点検対象を遠隔加振するために、超高指向性、高出力スピーカを使いスイープ音波を点検対象に照射し、レーザドップラ振動計を用いて遠隔から振動測定し点検対象のガタつき(落下、剥落する危険性)の評価をするシステム開発に着手しました。

天井材のガタつき度合いを測定している状況