超音波ボルト張力計を用いた非破壊検査
新しい超音波ボルト張力計の開発
種々の構造物・容器・装置は、部品をボルトによって締結していることがあります。そこで、どのくらいの力でボルトが締結されているか確認することが重要です。しかしながら、従来、現場でボルト張力を実用的に測定することは出来ませんでした。
それまで市販されていた超音波ボルト張力計は現場で容易に測定できる実用的な測定器ではありませんでした。
そこで、実用的に現場でボルト張力を測定する測定器の開発を行い、新しいボルト張力計を製作しました。

超音波ボルト張力計の特徴
- コンパクトで携帯性が良い。
- ボルト両端部仕上げ不要,初期長さ測定不良
- ボルト1本の測定は20秒ほどで可能
- 塗装・めっき・錆びたボルトでも測定できます。
- 計算式を内蔵し、張力を直読できます。
- 測定データをパソコンやプリンタに出力できます。
- ダブルナットでも測定ができます。(ダブルナット対応型センサ使用)
超音波ボルト張力計の原理
新しい超音波ボルト張力計の原理は、ナット対面の超音波透過量の測定によりボルト張力を測定します。図に示すようにボルト張力が増加すると、超音波の透過量は増加することを利用しています。




超音波ボルト張力計の使用例
新しい超音波ボルト張力計は、ボルトの機械仕上げや初期値が不要で、測定が容易ということで、鉄塔・橋梁・鉄骨等で使われ始めています。
また、ハンマーによる打撃試験のように締まってないというだけでなく、張力値(ton)を知ることができるので、より適正な保守管理が可能となります。
橋梁への適用例
ボックス桁のボルト継手での張力測定


鉄骨での適用例
溶融亜鉛めっき高力ボルトを用いた梁継手での張力測定

